離れているから、愛おしい

今のわたしたち

義父は天国へ旅立ち、次男は結婚して巣立ち、今は主人と義母がふたりで暮らしています。
私の娘は専門学校を卒業し、今は社会人に。通勤に片道1時間半かかるので、残業の日(…ほとんど毎日ですが)は、夜遅く駅まで迎えに行くのが日課です。

そんな日々の中で、平日の私は、コマ切れのような“自分時間”しか持てません。
でも、週末婚というかたちだからこそ、誰にも気兼ねなく、好きなことにどっぷりと没頭できる――そんな時間があります。

週末婚がくれた「自分時間」

ネットで気になるカメラの機材を調べたり、かわいい雑貨を探してときめいたり。
人の目があると、ちょっと遠慮してしまうようなことも、自分だけの時間だと、心ゆくまで楽しめるのです。

主人もきっと同じ。
趣味の物や車をネットで見ているようで、「この車どう思う?」なんてLINEが、ふと届くこともあります。

紙切れ1枚の、安心という魔法

たまに、こんなふうに思うこともあります。
「週末しか会わないなら、もしかして結婚しなくてもよかったのかも…?」なんて。

でも、やっぱり“結婚”という形を選んだことで、
彼は「恋人」じゃなくて「夫」になったんだと感じます。
たった一枚の紙切れ――だけど、その紙には、安心という名前の魔法が宿っている気がするんです。

若さはもうないけれど(笑)、
お互いのペースも、心地よい距離感も、ちゃんとわかっている。
だからこそ、信頼できるし、安心できる。

私は、私の自由時間を楽しんで、
彼は、彼の時間をのびのびと過ごしている。
そのうえで、週末になるとまた出会えるのが、私たちの心地よいリズム。

週末は、心をゆるめる時間

金曜日くらいになると、少しずつ気持ちが週末モードに切り替わります。
土曜日は朝から洗濯や掃除をしたり、太陽の光の中で、部屋フォトを撮ったり。

そして午後には、週末旅行のような気分で、主人の家へ向かう準備を始めます。
車を1時間ほど走らせながら、「今週末はどこへ行こうかな?」なんて、予定を思い描くのもまた楽しくて。

仕事のことや、家のこと――いろいろな気持ちから解放されて、
実家を出るその瞬間から、私の“週末バカンス”が始まるんです。

主人の家に着いたら「着いたよ」と電話をかけるのですが、
雨の日も風の日も、5年間ずっと、主人は車まで荷物を取りに来てくれます。

まるで、私と会えるのをずっと待っていたかのように。

話すことがあるって、しあわせ

毎日顔を合わせていないからこそ、
「今週、こんなことがあったんだよ〜」って、話すことがたくさんあります。

ちょっとイラっとした出来事も、
数日たってから伝えると、不思議と笑い話にできたりして。
マイナスな気持ちも、時間をおいて口にすると、やさしい温度に変わるんですね。

お互い、「せっかくの時間を楽しく過ごそう」って自然に思える。
その小さな気遣いの積み重ねが、心地よさをつくってくれている気がします。

これは、毎日一緒にいたら、もしかしたら難しかったことかもしれない。
週末婚だからこその、ふたりの距離感なのかなと思います。

週末のしあわせ時間

夜は、彼にアロマトリートメントをして、疲れをほぐす時間。
そして、プロジェクターで一緒にYouTubeを観て、眠りにつきます。

日曜日は、デート気分でお買い物へ。
「これ、似合うかな?」って聞いたり、
「これ、美味しそうだね」って一緒に選んだり。

私にとっては――
ほんとうに、週末だけの小さなバカンスのような時間です。

これからも、このやさしいリズムを、そっと大切にしていきたいと思っています。

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